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2025.06.23
今朝の気づき 心のノートに #3
2025.6.23 つながりの力
産業革命以前、労働の成果は人の手にかかっていました。働いた分だけ成果が得られ、生活もそれに準じたものでした。しかし、機械が登場すると状況は一変します。機械を所有し、それを動かすことで富を得る「ブルジョアジー」と呼ばれる階級が誕生し、生産性は飛躍的に上がりました。
そんな彼らのライフスタイルは、「街に出て、おしゃれをし、同じ立場の人たちと会話を楽しむ」ことがステータスとされていました。しかし、その中には、社交的でない人たちも当然いたのです。彼らは着飾って街に出ても、話しかける勇気が出ずにそのまま帰ってしまう。そんな経験を繰り返す中で、深い孤独に苦しみ始めた人たちがいたと言います。
その孤独を埋めるために「話し相手を雇う」というサービスが生まれました。条件は「笑顔で話を聞いてくれること」。これがやがて、バーテンダーやカウンセラーなど“人の話を聞く”職業へと発展していったとも言われています。
そして、現代。2022年の調査では、「死に直結する生活習慣」の中で、最も影響が大きいのは孤独であるという結果が出ています。過度な飲酒や喫煙を抑え、孤独が1位。人は“つながり”がないことで、心身に深い影響を受けてしまうのです。
現代はインターネットで簡単に人とつながれる時代と言われますが、実際には「どこにも所属していない」と感じている人が多いのも事実。かつては地域や家族、自然とできたコミュニティが今は希薄で、自分で居場所を探さないと“誰ともつながれない”時代になっています。
だからこそ、私たちが大切にしたいのは 「人との関係性」 です。
お客様と接するときも、単なるサービスの提供者と利用者ではなく、一人の人間同士としてつながること。相手の話にしっかり耳を傾けること、笑顔で受け入れること、そこにあるのは単なる接客ではなく、「あなたはここにいていい」というメッセージです。
どんな立場の人でも、どんな状況でも。分け隔てなく、受け入れ、つながりを感じられる関係づくり。それは、お客様にとっての「居場所」となり、やがてスタッフ自身にとってもあたたかいコミュニティとなっていくはずです。
小さなやりとりの中に、心をつなぐ力がある。
今この時代だからこそ、「人と人とのつながり」を大切にしていきたいですね。