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2020.12.02

コラム「贈与と経済」

みなさん、こんにちは。

SUBIRA(スビラ)グループ代表の中村聡介です。

 先日、「世界は贈与でできている」という本を読みました。

今日は贈与と経済について考察してみたいと思います。

現在の経済を考えるとき、「交換」を原則として成り立っています

そして人類の歴史の中でこの「交換」を原則として成り立つように
なったのは、決して古くないといいます。

現在では当たり前になっているこの「等価交換」という原理に比べ
て、贈与は人類が始まってから今に至るまで継続した行為だといいます。

この本を読んでいて私が感じたのが、

「経済は交換を前提にし、贈与は恩返しを前提にする」

ということです。

例えば、100円を差し出して100円分の品物を手に入れる。

1億円の家の建築を注文して、半年後に1億円相当の家が建ち、1
億円を支払う。

これらの交換はその場か、もしくは期間の定めの中で終わります。

この交換は債権・債務(義務)の上に成り立っています。

この関係になった以上、「Have to(しなければならない)」になります。


一方、贈与の場合、例えば

「あの人にはいつもお世話になっているから、お土産を買っていこ
う」

「困っているから、手を貸そう」

「優しくされてうれしかったから、他人には優しくしよう」

という交換条件を前提としないきっかけで始まるのが贈与です。

さらにいうと、

「小さいころに親に大切にされたから、
 自分も子供を大切に育てよう」

という行為の贈与も、過去の恩への恩返し、もしくは恩送りから始
まります。

人に何かを送るとき、何かをしてあげようと考えるとき、ワクワク
します。
市場を見たときに、経済の視点が強すぎると遊びの入る隙間が減っ
てしまうのかも知れません。

「笑顔がうれしかったから、手紙を贈ろう」

「家庭菜園で野菜が採れた。友人に贈ろう」

「両親の誕生日だ。これまで育ててくれた感謝の気持ちに花束を贈
ろう」


遊びをもったやり取りも経済を動かしていく大きな力ではないかと
感じました。


今回も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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