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代表のことば

2025.06.16

今朝の気づき 心のノートに #2 大切なこと

612日 目に見えない大切なこと

おはようございます

私の好きな民俗学者・柳田国男さんの本には、昔話や伝承が語り継がれてきた地方の風景とともに、人とモノ、神様や自然とのあたたかく不思議な関係がたくさん紹介されています。

たくさんある話の中から、私が特に印象に残った話を簡単に紹介したいと思います。

 

ある町に、小さな祠(ほこら)がありました。

そこには、昔から大切にされてきた仏像が祀られているのですが、その仏像、しっかりと固定されておらず、ただ立てかけてあったそうです。

あるとき、子どもたちがその仏像を持ち出して、坂道を転がしたり、ごろごろ遊び道具にしていたのだとか。

そのうちに顔はすっかり擦り減ってしまい、「顔のない仏様」になってしまいました。

 

それを見た地域の町長さんが「これはまずい」と思い、仏像で遊ぶことを子どもたちに禁止するようにしました。

 

ところが、その直後から町長さんは体調を崩し、ずっと寝込んでしまいます。

いったい何が起きたのか――。

 

そのとき、町には「仏像の声が聞こえる」というおじさんがいて、町長がその人に相談したところ、「仏像が乗り移った」と言うのです。

 

そして、仏像の“声”はこう語ったのだそうです。

 

> 「お前はなんてことをしてくれたんだ。

私は子どもたちと毎日楽しく遊んでいたのに、どうしてそれを止めたんだ。」

 

この言葉を受けて、町長さんは仏像で遊ぶのを禁止するのをやめました。

すると不思議なことに、体調はみるみる回復したそうです。

 

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私はこの話を読み、深い気づきを感じました。

大切にすることはもちろん大事。

でも、「大切にする」の意味が、時として一方的な思い込みになっていないか。

相手(この場合は仏像)の気持ちになって考える――

そんな発想は、普段の自分にはまったくなかったなと。

 

それまでは「子どもたちが悪い」「傷つけるのはダメ」と思っていたけれど、

仏像の側からすれば、子どもたちと一緒に遊ぶ時間こそが喜びだったのかもしれない。

 

日本の各地には、こうした話がたくさん残っています。

それを語り継ぐ「語り手」がいて、その物語を通して、私たちは“目に見えない大切なこと”に気づかされます。

 

私はそういう話がとても好きです。

小さい頃からこのような伝統文化に囲まれて育ったわけではありませんが、

「何かの立場になって考えてみる」「見えない声にも意味がある」

そんな感覚を大事にしながら、これからもいろんな物語に耳を傾けていきたいと思っています。

2025.06.04

今朝の気づき 心のノートに #1 田植え

このたび弊社では、代表が朝礼で語ることばを、ブログでお届けしていくことになりました。 タイトルは『今朝の気づき、心のノートに』です。

慌ただしい毎日の中で、ほんの少しだけ立ち止まり、ちいさな気づきを楽しんでもらえたらと思っています。

定期的に更新してまいりますので、ぜひ楽しみにお待ちください

2025.5.30 田植え

おはようございます

先日、知人との会話で、雨の中で田植えをしたという話を聞きました。

この「雨」と「田植え」、実はとても深い関係があるってご存知ですか? 田植えをする女性のことを「早乙女(サオトメ)」って言いますよね。 何気なく聞いていたこの言葉、なぜ「サオトメ」なんだろう?とふと思い、調べてみました。

すると、驚きの事実が! まず「サ」という音には、なんと「田んぼの神様」という意味があるそうです。

そしてその神様が田植えをする人=「サオトメ」。田植えをする月=「サツキ(皐月)」。

雨が降って田んぼが潤うことが神様の恵みなのですね   もっと面白いのが、「酒」という言葉。これはもともと、田の神様に捧げる飲み物を指していたそうです。 そしてそのお供として添える食べ物を「酒の肴(さかな)」と呼んでいたとか。  こういう神事的な背景があると聞くと、すべてに意味があったのですね。    

さらにさらに! 田植え前には、田の神様はまだ山にいて、家の中に宿っているとも言われていたそうで……その神様がいらっしゃる場所を「サモクラ」、それが転じて「桜」となったという説も。 つまり、桜の花の中には、田んぼの神様が宿っているという神話的なイメージがあって、春に咲く桜がその神様の訪れを知らせるサインだったんのですね。そしてその神様が降りてきて田植えが始まる、という美しい物語があったのです。  

今日は「五月雨(さみだれ)」、今年最後の五月雨です。普段何気なく使っている言葉の中に、こんなにも自然と神様と暮らしが結びついた世界があるなんて、ちょっと感動しませんか?

そんなわけで、今日は日本語の奥深さに触れながら、有終の美を飾る一日にしましょう

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