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2026.07.21
Podcast配信 #2025.11.12配信分
【Podcast配信】決定!『天分陰明』に込めた、影をも愛する後継者哲学
2025年11月12日放送分のまとめ
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「天分陰明 ~後継者哲学ラジオ~」は、後継者支援を行う株式会社SUBIRA代表・中村聡介が、独自の「美」の観点から経営を語るラジオ番組です。第2・4水曜9時頃に配信中!台本のない二人の雑談を、ぜひお楽しみください。
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今回の配信を機に、私たちの番組は新タイトルとして『天分陰明(てんぶんいんめい)』という言葉を掲げることになりました。これは収録の数分前に私がふと思いついた、世の中には存在しない「造語」です。なぜ、このような少し奥ゆかしく、一見すると分かりにくい名前をつけたのか。そこには、私が後継者支援に携わる中で最も大切にしている、ある「哲学」があります。
1. 言語化されない「孤独な感覚」を分かち合うこと
私たちは誰しも、自分の頭や胸の中に「他人には言葉で説明しきれない、不思議な感覚や思考」を秘めているものです。 「こんなことを考えているのは自分だけかもしれない」「こんな複雑な葛藤は他人には理解されないだろう」と、孤独に思い悩むことがあります。
しかし、多くの人は自分と同じように、言葉にしない「精神的な感覚」をそれぞれ心の中に持っています。一見すると風変わりで尖った考えであっても、勇気を出して自分のありのままをアウトプットしてみると、「実は自分もそう思っていた」「その感覚、よく分かる」という深いレベルでの繋がりが生まれるのです。
「伝わらないかもしれない」という恐れを超えて言葉を紡ぐ。そこにこそ、本質的な対話や共感が宿ります。
2. 『天分』――天から与えられた背負い袋
かつて私が浮世絵師・写楽をテーマにした舞台の脚本を執筆した際、登場人物の一人である蔦屋重三郎に、次のようなセリフを言わせました。
「人はそれぞれ、天から『背負い袋』のようなものを与えられて生きている。その中から道具を取り出し、人生を豊かにしたり、人のために役立てたりするものだ。それが『天分』である」
天から分け与えられた「天分」の中には、自分にとって喜ばしい「光(長所や幸運)」だけでなく、一見すると不都合でしかない「影(短所、苦悩、挫折)」も入っています。
後継者として「自分に本当に務まるのだろうか」「なぜ自分がこの立場なのか」と彷徨うこともあるでしょう。しかし、その悩む姿も、そこに至るまでに歩んできた道のりに落ちている「影」も、すべてあなただけの背負い袋に入っている天分なのです。自分の軌跡を振り返り、かつて暗闇に見えていた影の部分を静かに見つめ直す。すると、それこそが自分を自分たらしめる独自の役割(命)であったと気づく瞬間が必ず訪れます。
【私の原体験】過去の「影」が、今すべて糧になる
私自身、かつてはプロのダンサーとして生きていくことを夢見ていましたが、怪我によってその道を諦めました。当時は挫折という「影」の中にいました。しかし、20以上の職業を渡り歩きながら泥臭く生きてきた私の父が、かつてこう教えてくれたのです。 「自分自身も当時は影の時期だと思っていた様々な経験が、今、一本の細い糸で繋がり、社労士として誰かの相談に乗る上での掛け替えのない財産になっている」と。後継者の方々が持つ苦悩や過去の挫折も、何一つ無駄なものはありません。
3. 谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』に学ぶ「余白の美学」
タイトルの『天分陰明』にある「隠(陰)」と「明」の背景には、私が愛読している谷崎潤一郎の随筆『陰翳礼讃(いんえいらいさん)』の思想があります。
電気によって全てが明るく照らされ、すべてが見えすぎてしまう現代社会。しかし昔の日本の家屋には、部屋の隅に薄暗い「闇(余白)」がありました。その暗闇があるからこそ、人間は豊かな想像力を育み、そこに美しさを見出してきたのです。
ビジネスや人生も同様です。売上や成功といった「光」をどこまでも追い求めることだけが、美しい生き方ではありません。自分の「影(弱さや不完全さ)」を消し去ろうとするのではなく、それすらも天から与えられた等身大の自分の一部として愛し、そのまま生かし切る。
分かりやすい言葉で即座に伝わる便利さも大切ですが、言葉にできない「余白」や、語られない「背景」があるからこそ、経営者としての想いや生き様は、人々の心に静かに、そして深く伝わっていくのだと信じています。
※本記事は、Podcast番組『天分陰明〜後継者哲学ラジオ〜』第3回の対談内容をもとに再構成したものです。
今後とも、事業を未来へ紡ぐための言葉をお届けしてまいります。
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